株式会社米澤製油

こだわりのなたね油

なたね油の製造工程や歴史についてご紹介します

製造工程について

米澤製油の油と一般的なサラダ油との製造工程比較

製造工程表

一般的なサラダ油の製造工程で使用される添加物

  • リン酸
  • リン石灰から作られる化合物で、用途は多岐にわたり、肥料、医薬品、洗剤等の原料として使われ、油脂の脱ガムにも利用されます。
  • 苛性ソーダ
  • 水酸化ナトリウム。劇物でありながら食品添加物として認められています。
  • 活性白土
  • 粘土の一種で原土を硫酸・塩酸処理して作られています。
  • シリコーン
  • 油に添加すると、消泡剤として油を長持ちさせる効果があります。

なたね油製造工程

原料菜種

分別管理された原料菜種を米澤製油専用のトラックで運びます。原料は全て、遺伝子組み換え混入防止管理済のオーストラリア産菜種と、遺伝子組み換えの商業栽培がない国産の菜種を使用しています。

原料菜種

精選

ふるいにかけて、菜種のサヤなどを取り除きます。

精選

焙煎

油分を取り出しやすくするため、また、青臭さを取り香味をつけるため焙煎します。

焙煎

圧ぺん

搾りやすくするためにローラーでつぶします。

圧ぺん

圧搾

圧力をかけて搾ります。ノルマルヘキサンなどの石油関連製品は使用しません。

圧搾

脱ガム

えぐみの素となるリン脂質を除きます。リン酸は使用しません。

脱ガム

湯洗い洗浄法(特許取得製法)

油とお湯を遠心分離機に何度もかけて不純物を除きます。リン酸や苛性ソーダを使用しません。

湯洗い洗浄法

脱臭・脱色

高真空下で、水蒸気によって匂い・色成分を除きます。

脱臭・脱色

ろ過

無漂白のろ紙を使い、フィルターでろ過します。

ろ過

充填

異物や缶のつぶれなどを1つ1つ目視で確認しながら、手作業で缶・瓶に充填します。

充填

なたね油について

こだわりの原料菜種

国産

日本の菜種は古くから栽培されており、江戸時代には灯油(ともしあぶら)として、油粕は肥料として利用されてきました。1955年頃には年間約30万t前後の収穫量がありました。しかし、日本固有の品種には、多量に摂取すると心疾患を引き起こす原因となるエルカ酸が多く含まれていました。加えて無エルカ酸菜種(キャノーラ種)が海外から多く輸入されるようになり、日本固有種は30年ほど前には食用としてはほとんど栽培されなくなりました。
1990年に東北農業試験場で低エルカ酸菜種「キザキノナタネ」が品種改良によって開発されました。その後、農家が連作障害を避けるために菜種を栽培したところ、土壌が改良され他の農作物の収量が上がる効果があることが分かりました。2014年ごろまでは年間1,000t位まで収穫されるようになり、2015年からの助成金の拡大により、作付面積はさらに増えてきました。現在は年間3,000t強(※)収穫されるまでに回復していますが、輸入原料菜種の0.15%の収穫量にしかなりません。当社ではその国産菜種の大半を購入し搾油しています。
エルカ酸を含まず、グルコシノレート含有量が少ないダブルロー品種として農研機構が育種し、当社も開発に協力した「ペノカのしずく」が次代の品種として期待されています。

【参考】(※)農林水産省「農林水産統計」

オーストラリア産

現在日本には、年間約240万tの菜種が輸入されています。主な輸入国はカナダ、オーストラリアですが、その約90%が遺伝子組み換え(GM)菜種です。(カナダ産の93%、オーストラリア産の22%がGM菜種です)(※)
当社では1997年まではカナダ産の菜種を使用していましたが、遺伝子組み換え品の商業栽培が開始されたため、オーストラリア産の菜種に切り替えました。しかし、オーストラリアでも遺伝子組み換えが開始されたため、現在では非遺伝子組み換え(NON-GMO)作物を栽培する農家と契約を結び、栽培から流通までの各段階で分別管理(IPハンドリング)された菜種のみを購入し搾油しています。

【参考】(※)財務省「貿易統計」及びISAAAの資料から算出

もっとも栄養バランスの取れた植物油「なたね油」

脂肪酸の効能とは?

油は複数の脂肪酸によって構成されています。よく聞く脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、中鎖脂肪酸です。

・オレイン酸(ω-9系)

悪玉コレステロール(LDL)を増加させず、善玉コレステロール(HDL)を減少させない。リノール酸と合わせて摂るのが効果的とされています。

・リノール酸(ω-6系)

人間にとって摂取が必要な必須脂肪酸ですが、過剰摂取は生活習慣病の原因になります。

・リノレン酸(ω-3系)

リノール酸同様必須脂肪酸です。中性脂肪を下げる働きの他、血液をサラサラにして動脈硬化を防止する働きがあります。

・中鎖脂肪酸

消化吸収が早く、速やかにエネルギー源となって代謝されます。

脂肪酸組成比較

なたね油 大豆油 米油 オリーブ油 エゴマ油 ココナッツオイル
オレイン酸(ω-9系) 60% 23% 40% 75% 20% 5%
リノール酸(ω-6系) 20% 53% 35% 10% 10% 1%
リノレン酸(ω-3系) 10% 7% 1% 1% 60% 0%
中鎖脂肪酸 0% 0% 0% 0% 0% 64%
その他 10% 17% 24% 14% 10% 30%

なたね油の脂肪酸がもっともバランスが取れている

どの脂肪酸も人の体にとって有効で、マスコミ報道等の影響もあり、偏って摂取しがちですが、望ましい摂取割合があります。厚生労働省の資料では、ω-9系>ω-6系>ω-3系の順で摂取すると望ましいと言われています。(※)
オリーブ油はオレイン酸が豊富ですが、リノレン酸が少なすぎます。最近、メディアで取り上げられているエゴマ油は最も摂取すべきオレイン酸が少なすぎます。ココナッツオイルはオレイン酸と必須脂肪酸が少なすぎます。なたね油はω-9、6、3系の脂肪酸が理想的な摂取割合で入っており、植物油のなかで最もバランスの取れた油と言えるのです。

(※)厚生労働省 日本人の栄養所要量・公衆衛生審議会答申

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